ちぐはぐの記憶

病院から無言の帰宅をした母さん


震えながらさっきまで管が通っていた頭を撫でるとすでに冷たくて、入院中から私がみんなに来てくれる時に癖っ毛もバリカンで剃られた頭も見られると身なりを気にしていた母さんは恥ずかしがるかなと付けたバーバリーのバンダナを少し整えてあげて、可愛くできたよ頭の管取れて良かったねと話した。

返事は無いけれど…


葬儀の話も誰のお葬式だか時々分からなくなっていた


遺影は身バレしそうな内容だけど母さんが身なりをキチンとしてて私と微笑んでいる写真


遺影になるなんて思ってもいなかった


葬儀中も覚えているのは、母さんとの本当に最後の別れ。そして、棺と共に荼毘に入っていく所で  嫌だ、燃やさないでと倒れてしまった。

幸い、旦那も心配していた所だったのでお腹をぶつける事も無く施設の人から車椅子を借りた


暖かな骨壺を抱いた時はそれが母親だと思いたく無い自分がいた